118C27

ある疾患への偏見・スティグマを軽減する医療者のアプローチで誤っているのはどれか。
患者の話を傾聴する。
疾患に関する最新の知見を調べる。
患者の特徴を社会通念に従って類型化する。
自分が持っているかもしれない偏見に注意を向ける。
患者が排除されず社会に参画するための支援を検討する。

解答: c

118C27の解説

【ポイント】
学問的な議論を抜きにし、一般的な観点から「スティグマ」を日本語すると「偏見」と直訳されることが多い。ゆえに「偏見・スティグマを〜」のように併記して出題してくれていることを親切に感じた。実はこの「スティグマ〈stigma〉」という用語、古代ギリシャ語に由来し、もともとは奴隷や犯罪者に対して焼きごてなどで付けた印(烙印)を意味した。日本語でも「烙印を押す」という表現があるが、なかなか深い。興味がある者は勉強の息抜きがてら、色々調べてみるとよい。

【選択肢考察】
a 傾聴することで、自分が疾患に対して持っていた偏見を変えることができるかもしれない。
b 最新の知見により、これまでの誤った偏見的知識が塗り替えられることもある。
c 誤り。「社会通念に従った類型化」こそ偏見そのものであり、知らず知らず相手に烙印を押すことにつながりかねない。
d 自省することで、自身を偏見から開放できることもある。
e 社会通念上、偏見の対象となっている疾患の患者であっても、参画できるような社会を構築するための支援を検討することが重要だ。

正答率:97%

テーマ:偏見・スティグマを軽減する医療者のアプローチ

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