118A71

75歳の女性。大腸癌術後から経口摂取が困難で、中心静脈栄養を行なっている。術後10日目に悪寒戦慄が出現した。意識は清明。体温38.0℃。脈拍120/分、整。血圧90/44mmHg。呼吸数24/分。腹部は平坦、軟で、手術創に明らかな異常を認めない。血液培養2セットからCandida albicansが検出された。中心静脈カテーテルを抜去し抗真菌薬による治療を開始した。
治療期間決定のために必要なのはどれか。2つ選べ
眼底検査
血液培養再検査
血中β-D-グルカン測定
頭部CT
便培養

解答: a,b

118A71の解説

【ポイント】
「血液培養2セットからCandida albicansが検出された」とのことで、カンジダが原因となったカテーテル関連血流感染症と分かる。

【選択肢考察】
a 正しい。眼底検査にてカンジダ眼内炎を確認する。眼内炎が存在した場合、治療期間は長期が予想される。
b 正しい。血液培養再検査により、カンジダが陰性化しているか否か(抗真菌薬治療が奏功しているか否か)を確認する。なぜなら陰性化が確認されてから2週程度の治療継続が推奨されているためである(まさしく「治療期間決定」に必要)。
c β-D-グルカンは高値が予想されるが、この数値の高低と治療期間とは直接の関係がない。
d 髄膜炎などカンジダが頭蓋内に影響を及ぼすことはあるも、頭部CTにて評価は困難。また治療期間決定にも直接関係がない。
e 大腸癌術後だから設定された選択肢であろうか。便培養は見当はずれである。

正答率:15%

テーマ:カンジダ症の治療期間決定のために必要な検査

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