118A69

76歳の男性。発熱と右季肋部痛とを主訴に来院した。昨日から右季肋部痛が出現し、今朝まで持続している。体温38.1℃。脈拍128/分、整。血圧124/86mmHg。呼吸数18/分。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、右季肋部に圧痛を認める。血液所見:白血球17,600。血液生化学所見:総ビリルビン6.9mg/dL、直接ビリルビン4.2mg/dL、AST 371U/L、ALT 297U/L、ALP 231U/L(基準38~113)、γ-GT 237U/L(基準13~64)、アミラーゼ52U/L(基準44~132)。CRP 16mg/dL。腹部超音波検査で胆嚢壁に異常を認めない。腹部単純CTを別に示す。
適切な対応はどれか。2つ選べ
抗菌薬投与
経口胆石溶解薬投与
膵頭十二指腸切除術
内視鏡的胆道ドレナージ
蛋白分解酵素阻害薬投与

解答: a,d

118A69の解説

【ポイント】
高齢男性の発熱と右季肋部痛。炎症所見(白血球17,600やCRP 16mg/dL)より細菌感染を疑う。AST, ALT, ALP, γ-GTがすべて上昇しているが、直接ビリルビン優位の上昇があることから、胆道系のトラブルを考えたい。腹部単純CTにて向かって中心部やや左上に高吸収域がみられていることと合わせ、総胆管結石の診断。

【選択肢考察】
a 正しい。細菌感染に対し、抗菌薬投与を行う。
b 経口胆石溶解薬が有効なのは胆嚢内結石(非急性期)である。
c 十二指腸乳頭部癌などへの対応である。
d 正しい。ドレナージにて減黄を図る。
e かつて急性膵炎に有効とされた薬剤である。

正答率:96%

テーマ:胆道結石への対応

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