117F74

21歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。家族によると約2週間前から口渇、頻尿を訴えていたという。意識レベルはJCS II-10。身長170cm、体重56kg。体温37.1℃。心拍数92/分、整。血圧96/64mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(room air)。皮膚は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:糖4+、ケトン体3+。血液生化学所見:尿素窒素42mg/dL、クレアチニン2.1mg/dL、血糖564mg/dL、HbA1c 9.6%(基準4.6~6.2)、Na 144mEq/L、K 4.8mEq/L、Cl 104mEq/L。
この患者に直ちに投与すべき輸液の組成はどれか。
Na 0mEq/L、K 0mEq/L、ブドウ糖5%
Na 0mEq/L、K 20mEq/L、ブドウ糖5%
Na 77mEq/L、K 0mEq/L、ブドウ糖2.5%
Na 77mEq/L、K 20mEq/L、ブドウ糖2.5%
Na 154mEq/L、K 0mEq/L、ブドウ糖0%
Na 154mEq/L、K 20mEq/L、ブドウ糖0%

解答: e

117F74の解説

【プロセス】
①約2週間前から口渇、頻尿
②意識レベルはJCS II-10
③呼吸数24/分
④皮膚は乾燥
⑤尿所見:糖4+、ケトン体3+
⑥尿素窒素42mg/dL、クレアチニン2.1mg/dL
⑦血糖564mg/dL、HbA1c 9.6%
☞脱水(④)を伴う意識障害(②)。⑤⑦より糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の診断は容易だろう。①の症候も矛盾しない。③はKussmaul呼吸であろうか、頻呼吸となっている。DKAの第一選択となる輸液は生理食塩水である。なお、⑥で腎機能低下がみられているため、カリウムが含まれている輸液製剤は好ましくない。

【選択肢考察】
a 5%ブドウ糖液である。
b 特に名称はない。Kが20mEq/L含まれており、不適切。
c 1号液(開始液)である。
d 2号液(脱水補給液)である。
e 正しい。生理食塩水である。
f 特に名称はない。Kが20mEq/L含まれており、不適切。

正答率:91%

テーマ:糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉に直ちに投与すべき輸液組成

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