117F51

52歳の男性。咽頭痛と呼吸困難を主訴に救急外来を受診した。4時間前から強い嚥下痛のため食事が摂れなくなった。2時間前から声を出しにくくなり、呼吸困難を自覚するようになった。意識は清明。体温38.5℃。脈拍96/分、整。血圧150/90mmHg。呼吸数28/分。SpO2 90%(マスク5L/分 酸素投与下)。顔貌は苦悶様で、診察中に吸気性喘鳴が増悪した。
まず行うのはどれか。
気道確保
経鼻胃管挿入
消炎鎮痛薬の投与
気管支拡張薬の吸入
テオフィリンの静脈内投与

解答: a

117F51の解説

【プロセス】
①4時間前から強い嚥下痛のため食事が摂れなくなった
②2時間前から声を出しにくくなり、呼吸困難を自覚
③SpO2 90%(マスク5L/分 酸素投与下)
④顔貌は苦悶様で、診察中に吸気性喘鳴が増悪
☞急速に進行する呼吸困難(①②)であり、吸気性喘鳴が聴取されている(④)ことから中枢気道のトラブルが考えやすい。急性喉頭蓋炎であろう。③より、すみやかな気道確保が望まれる。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 腸閉塞や経口摂取困難時の対応。
c 消炎鎮痛薬では効果の発現に時間がかかり、また消炎力も不十分。急性喉頭蓋炎を抑え込むことは厳しい。
d 気管支拡張薬により末梢気道を拡張しても、中枢気道のトラブルである急性喉頭蓋炎への対応にはならない。
e テオフィリンも気管支拡張薬である。他選択肢と同じ理由で不適切。

正答率:99%

テーマ:急性喉頭蓋炎にまず行う対応

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