117E39

2歳の男児。発熱と鼻汁を主訴に両親に連れられて来院した。前日の夕方から38.5℃の発熱を認め、右耳をさかんに触るような様子がみられ、夜間はよく眠れなかった。来院時の体温は38.2℃で、顔色は良好だが機嫌が悪く、母親に抱かれて診察室に入ったところ、すぐに大声で泣き出した。
対応として適切なのはどれか。
診察台に寝かせる。
子どもに話しかける。
鎮静薬を内服させる。
翌日の外来受診を指示する。
最初に耳鏡で鼓膜所見を確認する。

解答: b

117E39の解説

【プロセス】
①2歳の男児
②発熱と鼻汁
③右耳をさかんに触るような様子
④機嫌が悪く、母親に抱かれて診察室に入ったところ、すぐに大声で泣き出した
☞小児の感冒症状(①②)。③からは急性中耳炎が疑われるが、④より耳鏡を使っての鼓膜の観察は難しそうだ。まずは子供を安心させ、診察ができるような状況に持っていく必要がある。

【選択肢考察】
a 一般に小児を母親から離し、診察台に寝かせると、状況が悪化する(泣いていない場合でも泣き出す・今回のように既に泣いている場合はさらに大泣きする)。
b 正しい。冒頭で述べたように、まずは子どもの恐怖心を取り除くよう善処する必要がある。
c 他の手段をいろいろ試した結果、究極的にやむを得ない場合、メリット・デメリットを天秤にかけ、鎮静薬を内服させて診察を行うケースもある。しかしながら、「泣いているだけで問答無用にいきなり鎮静薬」という対応は感心できない。少なくとも、国試の問題(特に必修問題)としては正解になり得ない。
d 翌日には泣かずに診察できる、という保証はない。診断や治療を遅らせるだけである。
e 大泣きしている小児を強引に押さえつけて耳鏡検査をするのは厳しい。医師と母親の2人がかり(ないしは看護師も合わせて3人がかり)では出来なくもないだろうが、子供にトラウマを与えかねない。他の手段をいろいろ試した結果、究極的にやむを得ない場合、行わざるを得ないこともあるが、少なくとも国試の問題(特に必修問題)としては正解になり得ない。

正答率:90%

テーマ:大声で泣き出した2歳児への対応

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