117B29

76歳の女性。高血圧と慢性心不全のため入院していた。退院後は自宅近くの診療所に通院し、かかりつけ医の指導により自宅で毎朝体温、脈拍、血圧および体重の測定を行い、下腿浮腫の有無を確認している。
体液の過剰状態を早期に判断するために最も信頼度が高い項目はどれか。
体温
脈拍
血圧
体重
浮腫

解答: d

117B29の解説

【プロセス】
①高齢女性
②高血圧と慢性心不全のため入院
☞あまり臨床問題である必要はなく、選択肢の中から「体液の過剰状態を早期に判断するために最も信頼度が高い項目」を選べばよい。

【選択肢考察】
a 体温と体液は直接の関係がない。
b 体液過剰では一般に心臓が処理すべき血液が増加するため、脈拍が増加する。が、もちろん状況によっては脈拍が不変〜低下することもあり、確実ではない。もっと言えば、①②より不整脈の存在も想定され、その場合には体液量と関係なく脈拍が増減しうる。いずれにせよ「体液の過剰状態を早期に判断するために最も信頼度が高い項目」とは言えない。
c 体液過剰では一般に血圧が増加する。が、心不全の状況によっては血圧が不変〜低下することもあり、確実ではない。
d 正しい。確かに一過性の食べ過ぎ等で体重増加することもありうるが、①②の背景をもつ患者がドカ食いしたりする可能性は低く、体重は体液量の増減を反映する指標となる。毎朝測定しているとのことで、体重が急に増加傾向になってきた場合には心不全の増悪が疑われる。そうしたときに早期受診するよう指導したい。
e 浮腫を選んでしまった受験生が約6割。同じく浮腫関連で正答率が低かった必修問題である、104F5を勝手ながら筆者は思い出してしまった。確かに体液過剰時には浮腫が増悪するも、体重のように数値化して検出することができないため、少しの変化では体感がない。ゆえに「早期に」「最も信頼度が高い」という2点から正解とはならない。

正答率:39%

テーマ:体液の過剰状態を早期に判断するために信頼度が高い項目

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