117A59

35歳の男性。「戸締りを確認していて毎日のように遅刻してしまう」という主訴で来院した。一人暮らしだが、約3か月前に近所で空き巣があったというニュースを聞いてから、自分では過剰だと思いながらも戸締りの確認がやめられずに悩んでいる。仕事でも書類の紛失を心配して確認することが目立つようになった。集中力や意欲に問題はない。
考えられるのはどれか。
適応障害
解離性障害
強迫性障害
身体化障害
社交〈社会〉不安障害

解答: c

117A59の解説

【プロセス】
①戸締りを確認していて毎日のように遅刻してしまう
②自分では過剰だと思いながらも戸締りの確認がやめられず悩む
③仕事でも書類の紛失を心配して確認することが目立つ
④集中力や意欲に問題はない
☞①③は強迫行為(ないし強迫観念)である。②では不合理さの自覚と苦悩も読み取れる。強迫性障害が考えやすい。④よりうつ病は否定的。

【選択肢考察】
a 適応障害の診断には、その原因となる明確なストレスが必要。約3か月前の空き巣のニュースはストレス源としては弱いか。いずれにせよ、これほど強迫行為の記載がある以上、あえて適応障害を選ぶ理由はない。
b 解離性障害では健忘や昏迷がみられる。
c 正しい。上記の通り。
d 検査等で裏付けることが困難な身体症状を訴える病態。
e 人前でスピーチを行う際などに過剰に緊張してしまう病態。

正答率:100%

テーマ:強迫性障害の診断

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