116F40

7歳の女児。右下腿の変形のため救急車で搬送された。公園で1mの高さから飛び降りた際に着地に失敗し、歩行不能となった。意識は清明。体温36.7℃。血圧128/84mmHg。心拍数112/分、整。呼吸数25/分。SpO2 99%(room air)。既往歴に特記すべきことはない。右下腿は外反変形しているが、開放創は認めない。両側足背動脈は触知良好。患肢に感覚異常はなく、足趾の運動に異常を認めない。右脛骨と右腓骨の骨幹部骨折と診断され、徒手整復とギプス固定を施行された。受診時(A)とギプス固定後(B)の単純エックス線写真を別に示す。自宅への帰宅を許可し、外来で経過観察とされた。

患者と患者家族への帰宅後の生活指導として誤っているのはどれか。

「右足に体重をかけて大丈夫です」
「右足趾の屈伸運動をしっかり行ってください」
「右足趾の色調を定期的にチェックしてください」
「できるだけ右下肢を高く挙げて過ごしてください」
「右足趾の感覚異常や疼痛が現れたらすぐに受診してください」

解答: a

116F40の解説

【プロセス】
①公園で1mの高さから飛び降りた際に着地に失敗
②右脛骨と右腓骨の骨幹部骨折
③ギプス固定を施行
④単純エックス線写真では受診時に脛骨と腓骨の骨折を認めているが、ギプス固定後には骨折が整復されている
☞骨折整復後の生活指導が問われている。選択肢1つ1つの妥当性を吟味していこう。

【選択肢考察】
a 誤り。骨折しているわけで、免荷とすべき。
b 拘縮や血栓を予防するため、固定範囲外の運動を推奨する。
c ギプス固定により血流障害に至っていないか、定期的にチェックする。
d 腫脹(浮腫)を軽減すべく、骨折部位は高く挙げることが推奨される。
e ギプス固定によりコンパートメント症候群を惹起する恐れがある。その徴候を伝えておく。

正答率:89%

テーマ:下腿骨折患者の帰宅後の生活指導

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