116F35

73歳の男性。両下腿の歩行時痛を主訴に来院した。座位では症状がないが、5分ほど歩行すると両下腿の後外側に鈍痛が出現し座って休むという。そのため、外出時はいつも自転車を使用している。上肢に異常を認めない。両下肢に感覚障害はなく、筋力低下も認めない。両側の足背動脈は触知良好で、足関節上腕血圧比〈ABI〉に異常を認めない。腰椎エックス線写真を別に示す。

診断のため有用な検査はどれか。

筋生検
頭部MRI
腰椎MRI
筋区画内圧測定
両下肢血管造影

解答: c

116F35の解説

【プロセス】
①5分ほど歩行すると両下腿の後外側に鈍痛が出現し座って休む
②両側の足背動脈は触知良好で、足関節上腕血圧比〈ABI〉に異常なし
③腰椎エックス線写真にてL4椎体の前方滑り・L4/5間の狭窄
☞①は間欠性跛行であり、血管性か神経性かの鑑別をまず行う。②より血管性は否定的であろう。③からは腰椎すべり症と腰部脊柱管狭窄症の診断となる。

【選択肢考察】
a 筋の疾患ではないため、不要。
b 頭蓋内の疾患ではないため、不要。
c 正しい。腰椎MRIにてL4〜L5周辺を詳細に観察できる。
d コンパートメント症候群に有効。
e 血管性の間欠性跛行は否定的であり、不要。

正答率:99%

テーマ:腰椎すべり症・腰部脊柱管狭窄症の診断に有用な検査

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