116D74

75歳の女性。両膝の痛みを主訴に来院した。6か月前に誘因なく両膝の歩行時痛が出現し、3か月前から自宅近くの医療機関でNSAIDの処方を受けている。症状が改善せず、15分以上の歩行や階段昇降が困難となり受診した。身長152cm、体重70kg。BMI 30.3。体温36.4℃。脈拍84/分、整。血圧126/68mmHg。呼吸数14/分。神経診察で異常を認めない。両膝関節腫脹を認めない。両膝の内側関節裂隙に圧痛を認める。右膝関節の可動域は、屈曲120度、伸展−10度である。左膝関節の可動域は、屈曲130度、伸展−5度である。両膝関節立位正面エックス線写真を別に示す。

治療法として適切なのはどれか。3つ選べ

体重の減量
下肢筋力訓練
培養軟骨移植術
人工膝関節置換術
副腎皮質ステロイド内服

解答: a,b,d

116D74の解説

【プロセス】
①高齢女性
②誘因なく両膝の歩行時痛が出現
③BMI 30.3
④両膝の内側関節裂隙に圧痛
⑤右膝関節の可動域:屈曲120度、伸展−10度
⑥両膝関節立位正面エックス線写真にて関節裂隙狭小化、骨棘形成、骨硬化像
☞肥満のある(③)高齢女性(①)では膝に負荷がかかる。そのため、変形性膝関節症〈OA〉をきたしやすい。②④の症候、⑤の可動域制限、⑥の画像所見のすべてOAに合致する。

【選択肢考察】
a 正しい。肥満による膝関節への負荷が原因であるため、減量を指導したい。
b 正しい。膝関節の筋力増強により、歩行が安定し、疼痛も軽減する。
c 離断性骨軟骨炎などに対する治療法。
d 正しい。保存的治療が功を奏さない場合、外科的に人工膝関節置換術を行う。
e 関節リウマチなど免疫の関与する疾患に対する治療法。

正答率:84%

テーマ:変形性膝関節症〈OA〉の治療法

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