116C65

抗菌薬投与を含む治療の結果、入院4日目から解熱を認めた。以後順調に回復し抗菌薬治療は合計10日間の計画としていたが、入院8日目になり再度の発熱と腹痛を認めた。入院7日目の看護記録によると、茶褐色の水様下痢が合計8回あった。意識は清明。体温38.2℃。血圧90/56mmHg。脈拍112/分、整。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。腹部は全体に圧痛を認め、やや膨隆している。腸雑音は減弱している。腰部叩打痛は認めない。

この時点で実施すべき検査はどれか。

心電図
尿培養
脳脊髄液検査
便潜血
便中CDトキシン

解答: e

116C65の解説

【プロセス】
⑦抗菌薬投与を含む治療中
⑧入院8日目になり再度の発熱と腹痛
⑨茶褐色の水様下痢
☞⑦のような長期間にわたる抗菌薬投与は偽膜性腸炎のリスクとなる。これにより⑧⑨がみられている。

【選択肢考察】
a 脈拍112/分と頻脈だが、これは発熱や腹痛のため。特徴的な心電図変化は予想されない。
b すでに腎盂腎炎は軽快していると思われ、尿中の病原体が現病態の原因になっているとは考えにくい。
c 髄膜炎を疑った際に有効。
d 消化管出血を疑った際に有効。
e 正しい。偽膜性腸炎の原因菌はC.difficileである。便中でこの毒素を検出することが診断に有効。

正答率:99%

テーマ:【長文3/3】偽膜性腸炎の検査

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