116C47

42歳の女性。手のこわばりを主訴に来院した。手の症状には約3か月前から気付いている。厳格な菜食主義で魚介類や乳製品を10年以上摂取していない。味覚に異常を認めない。神経診察に異常を認めない。血液所見:赤血球414万、Hb 13.1g/dL、白血球6,900、血小板18万。血液生化学所見:アルブミン4.0g/dL、Na 137mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 106mEq/L、Ca 7.8mg/dL、P 2.2mg/dL。

この患者で欠乏が考えられるのはどれか。

亜鉛
葉酸
ビタミンB1
ビタミンD
ビタミンE

解答: d

116C47の解説

【プロセス】
①中年女性の手のこわばり
②厳格な菜食主義で魚介類や乳製品を10年以上摂取していない
③味覚に異常を認めない
④神経診察に異常を認めない
⑤CaとPともに低下
☞①からは関節リウマチなど免疫疾患を想起するが、②と選択肢より路線が異なることに気づく。⑤からはビタミンD低下症(骨軟化症)と考えられ、①は低Ca血症によるテタニーとみなすと説明がつきやすい。

【選択肢考察】
a 味覚障害の原因となる。③より否定的。
b 葉酸低下では巨赤芽球性貧血を呈する。本患者に貧血はみられておらず、汎血球減少もない。
c 脚気やWernicke脳症の原因となる。④より否定的。
d 正しい。上記の通り。
e 閉塞性黄疸による脂肪吸収不良時などにみられやすい。血中CaやPの値が変動することはない。

正答率:81%

テーマ:ビタミンD欠乏症(骨軟化症)の診断

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