116C45

78歳の男性。発汗と悪心を主訴に来院した。前日の朝、ソファに座って新聞を読んでいたところ、発汗と悪心が出現したが5分程度で改善した。当日朝、リビングで椅子に座ってテレビを見ていたところ発汗と悪心が出現したため、心配した家族に伴われて受診した。高血圧症、糖尿病、陳旧性心筋梗塞で自宅近くの医療機関に通院中である。体温35.8℃。脈拍96/分、整。血圧128/86mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。胸部聴診で異常を認めない。来院時の簡易測定血糖は195mg/dLであった。

血液検査とともにまず行うべき検査はどれか。

胸部造影CT
12誘導心電図
心エコー検査
運動負荷心電図
心筋シンチグラフイ

解答: b

116C45の解説

【プロセス】
①高齢男性
②テレビを見ていたところ発汗と悪心
③高血圧症、糖尿病、陳旧性心筋梗塞で通院中
④簡易測定血糖は195mg/dL
☞①〜③より急性冠症候群〈ACS〉が疑わしい。糖尿病の背景に加え、交感神経の高まりにより④がみられているのだろう。少なくとも低血糖発作は否定できる。

【選択肢考察】
a 冠動脈が見えないことはないが、ACSの直接的な検査ではない。
b 正しい。ST上昇の有無などを確認する。
c ACSに由来する心不全の評価には適切だが、まずはACS自体の確認をしたい。
d 労作性狭心症に有効。本症例ではすでに安静時の症状がみられており、運動負荷をかけるのは危険である。
e 心筋虚血の有無を観察できるが、心電図より優先度は下がる。

正答率:91%

テーマ:突然の発汗と悪心が出現した高齢者にまず行うべき検査

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