116B49

初診時に撮影した頭部単純CTを別に示す。入院後、ICUに入室して保存療法で経過を観察した。翌日の所見は以下のとおりであった。意識レベルはJCS III-300。体温37.2℃。脈拍120/分、整。血圧94/60mmHg(昇圧薬投与下)。SpO2 98%(FIO2 0.5で人工呼吸器装着)。瞳孔は左右とも径6mmに拡大して固定している。角膜反射、咽頭反射および咳反射がない。顔面の疼痛刺激に対して体動はなく瞳孔も無反応である。

脳死判定のためにさらに行うべきなのはどれか。

頭部MRI
脳波検査
視覚誘発電位
針筋電図検査
末梢神経伝導検査

解答: b

116B49の解説

【プロセス】
⑤頭部単純CT →左の画像でいわゆる「ダビデの星」、右の画像でシルビウス裂の高吸収域がみられており、くも膜下出血〈SAH〉の診断。
⑥瞳孔拡大して固定・角膜反射、咽頭反射、咳反射なし、疼痛刺激に対し体動はなく瞳孔も無反応
☞⑥より脳死が疑われる。その判定基準が問われている。あとは知識問題だ。

【選択肢考察】
a 判定基準に含まれない。
b 正しい。平坦脳波の確認が必須となる。
c 判定基準に含まれない。なお、聴性脳幹反応は確認が望ましいとされるので区別しておこう。
d 末梢神経や筋を評価する検査であり、脳死下でも反応がみられることがある。ゆえに脳死判定には用いられない。
e 末梢神経や神経筋接合部を評価する検査であり、脳死下でも反応がみられることがある。ゆえに脳死判定には用いられない。

正答率:94%

テーマ:【長文2/2】脳死判定に必要な検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし