116B47

入院後、以下の検査結果が得られた。

入院後検査所見:TSH 1.76μU/mL(基準0.2〜4.0)、FT3 3.6pg/mL(基準2.3〜4.3)、FT4 1.4ng/dL(基準0.8〜2.2)、アルドステロン6ng/dL(基準5〜10)、血漿レニン活性2.0ng/mL/時間(基準1.2〜2.5)、アドレナリン120pg/mL(基準100以下)、ノルアドレナリン1,200pg/mL(基準100〜450)。尿中VMA 18mg/日(基準1.3〜5.1)。腹部超音波検査で左側腹部に径2cmの腫瘤像を認める。

経静脈的降圧薬で降圧がみられたのち、最初に投与すべき経口降圧薬はどれか。

α遮断薬
アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬
カルシウム拮抗薬
β遮断薬
ループ利尿薬

解答: a

116B47の解説

【プロセス】
①17歳の時から時々、動悸と頭痛
②血圧192/110mmHg
③著明な発汗・顔面は紅潮・四肢に冷感
④アドレナリン・ノルアドレナリン・尿中VMA高値
⑤腹部超音波検査で左側腹部に径2cmの腫瘤像
⑥経静脈的降圧薬で降圧がみられた
☞①より発作的な症状が読み取れる。②の高血圧や③の交感神経活性化症状からある程度疾患は予想がつくが、④⑤を読み、褐色細胞腫の確信を得る。⑥で言及されている経静脈的降圧薬はα遮断薬やカルシウム拮抗薬、硝酸薬の可能性が高い。その後に経口で投与する第一選択薬が問われている。

【選択肢考察】
a 正しい。褐色細胞腫に対する第一選択薬である。
b レニン・アンジオテンシン系〈RAS〉に異常は認めておらず、無効。
c 第二選択以降として使われることがある。
d 第二選択以降として使われることがある。なお、β遮断薬を単剤で投与すると、クリーゼを惹起しかねないため★禁忌★である。
e 水分が血管内に貯留したことによる高血圧ではない。そのため、ループ利尿薬は無効。

正答率:95%

テーマ:【長文2/2】褐色細胞腫に最初に投与すべき経口降圧薬

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