116A46

53歳の男性。家族からいびきを指摘されたことを主訴に来院した。10年ぶりに会った友人に鼻が大きくなって顔つきが変わったと言われた。最近靴が窮屈になってきている。2年前に手根管症候群で手術。身長173cm、体重72kg。体温36.4℃。脈拍56/分、整。血圧156/90mmHg。血液生化学検査:AST 38U/L、ALT 42U/L、ALP 256U/L(基準38~113)、空腹時血糖126mg/dL、総コレステロール254mg/dL、トリグリセリド216mg/dL、HDLコレステロール48mg/dL。

この患者の確定診断に必要な内分泌検査はどれか。

GHRH負荷試験
ブドウ糖負荷試験
インスリン負荷試験
グルカゴン負荷試験
デキサメタゾン抑制試験

解答: b

116A46の解説

【プロセス】
①家族からいびきを指摘
②友人に鼻が大きくなって顔つきが変わったと言われた
③最近靴が窮屈
④2年前に手根管症候群で手術
⑤高血圧
⑥空腹時血糖高値
⑦脂質異常症
☞②③より先端巨大症の想起は容易。①は睡眠時無呼吸症候群の合併であろう。④の手根管症候群も先端巨大症に合併しやすい疾患として有名。⑤〜⑦の3系統(血圧・血糖・脂質)すべてで高値を示しやすいのも特徴的だ。

【選択肢考察】
a 成長ホルモン分泌不全症の評価に有効。
b 正しい。健常人では成長ホルモン分泌が抑制されるも、先端巨大症患者では抑制されないのが診断に有効な所見である。
c 成長ホルモン分泌不全症の評価に有効。
d 内因性インスリン分泌能の評価に有効。
e Cushing症候群の評価に有効。

正答率:56%

テーマ:先端巨大症の確定診断に必要な内分泌検査

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