116A12

急激な血圧上昇を認める患者で、高血圧緊急症の病態として考えにくいのはどれか。

急性大動脈解離
褐色細胞腫クリーゼ
乳頭浮腫を伴う脳浮腫
肺水腫を生じた急性心不全
肺動脈性肺高血圧症を伴う呼吸不全

解答: e

116A12の解説

【プロセス】
単に血圧の異常高値だけでなく、直ちに降圧治療を開始しなければ標的臓器障害が急速に進展し,致命的になり得る病態を高血圧緊急症と呼ぶ。選択肢の病態はすべて高血圧の原因となるため、本問に正答するにあたっては「直ちに降圧治療を開始しなくても命に別状はない病態」を選択すればよい。

【選択肢考察】
a 急性大動脈解離は即死もありうる危険な病態である。
b クリーゼ、すなわち危機的状況に至っており、すみやかな降圧が望まれる。
c 脳浮腫による神経系へのダメージが予想され、急ぎ降圧が望まれる。
d 急性心不全により肺水腫がみられており、呼吸・循環ともに危険な病態である。
e 誤り。肺動脈性肺高血圧症は文字通り、肺循環における高血圧である。体循環における高血圧とは一線を画し、たとえ呼吸不全を伴っていたとしても、降圧しないと即死するタイプの病態ではない。

正答率:54%

テーマ:高血圧緊急症の病態

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