115F71

受診から2か月後、歩行中に転倒して右上腕骨を骨折し、手術のため入院となった。右上腕部の疼痛を訴え、夜間不眠、興奮状態となり、自分が病院へ入院していることが理解できず病棟内を徘徊するようになった。また、幻覚症状が悪化した。これらの症状には日内変動がみられた。

まず行うべき対応はどれか。

家族の面会禁止
抗コリン薬の投与
抗精神病薬の投与
ベンゾジアゼピン系薬の投与
照明の調整による生活リズムの確保

解答: e

115F71の解説

【プロセス】
⑦歩行中に転倒
⑧右上腕骨を骨折
⑨手術のため入院
⑩疼痛
⑪夜間不眠
⑫興奮状態
⑬見当識障害
⑭病棟内を徘徊
⑮幻覚症状が悪化
⑯日内変動あり
高齢で認知症があることに加え、⑧⑨⑩といったリスクが山積している。これにより⑪〜⑯が出現しており、せん妄と考えられる。

【選択肢考察】
a 家族の面会はせん妄の病状を抑制する方向に働く。そのため、推奨すべきだ。
b せん妄の治療には用いない。
c せん妄に対しては抗精神病薬が有効なため、約1割の受験生が選んでしまった。しかしながら、DLBでは抗精神病薬に対する感受性亢進がみられ、投与により症状が悪化する恐れがある。そのため、本患者には使用を避けたい。
d むしろせん妄のリスクであり、不適切。
e 正しい。照明を適度に調整し、生活リズムを整えることが有用。

正答率:91%

テーマ:【長文3/3】せん妄にまず行うべき対応

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