115F62

その後、努力呼吸と舌根沈下が出現したため気管挿管を行った。CT検査に向かう準備をしていたところ、急にSpO2が70%となった(6L/分酸素投与下)。意識レベルはJCS III-100。脈拍52/分、整。収縮期血圧50mmHg、拡張期血圧は測定不可。瞳孔径は右3mm、左3mm。対光反射は正常である。左前胸部に皮下気腫が出現した。聴診では左の呼吸音が消失し、打診で左前胸部に鼓音がみられる。再度行った迅速簡易超音波検査〈FAST〉では心嚢腔、胸腔および腹腔内液体貯留はみられない。

直ちに行うべき処置はどれか。

胸腔穿刺
胸骨圧迫
高圧酸素療法〈高気圧酸素治療〉
心嚢穿刺
鎮痛薬投与

解答: a

115F62の解説

【プロセス】
⑪JCS III-100
⑫収縮期血圧50mmHg
⑬左前胸部に皮下気腫
⑭聴診では左の呼吸が消失・打診で左前胸部に鼓音
⑬⑭より気胸が出現したものと思われる。これにより閉塞性ショックをきたし、⑪⑫をみている。

【選択肢考察】
a 正しい。気胸に対し、胸腔ドレナージを行う。
b 心停止状態ではないため、行わない。
c ガス壊疽や減圧症に対する治療法。
d FASTにて心嚢腔に液体貯留は認めておらず、無意味。
e 疼痛のあまり意識を失っているわけではない。救命に寄与しない処置であり、無意味。

正答率:99%

テーマ:【長文3/3】急変した患者に直ちに行うべき処置

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