115F57

生後30分の男児。在胎40週0日、出生体重2,230g、Apgarスコア8点(1分)、8点(5分)で出生した。状態が安定していることを確認して早期母子接触を行った。その後、新生児室に入室した。入室時、低出生体重児のため小児科医の指示で次のバイタルサインを測定した。①体温35.5℃。②心拍数130/分。③血圧65/35mmHg。④呼吸数70/分。⑤下肢SpO2 90%(room air)

下線部のうち新生児の基準値内のバイタルサインはどれか。2つ選べ

解答: b,c

115F57の解説

【ポイント】
新生児バイタルサインの基準値についての理解が問われている。当然ながら出題者は受験生諸君がどのような値で覚え、国試に臨んでくるかを熟知している。そこをあえて外した値を提示し、臨床的な思考力を問うことがある。本問の正答率は6割程度。このタイプの問題では単純暗記だけでは到達できない高みに至れたかどうか、が勝負を分けることとなる。

【選択肢考察】
a 新生児の体温は成人に比べやや高め。そのため35.5℃は低体温と考えられる。
b 正しい。新生児の心拍数は成人より高く、130/分は正常値である。100/分を下回ると徐脈、180/分を超えると頻脈と押さえておこう。
c 正しい。新生児の血圧は成人より低く、65/35mmHgは基準値内と言える。とはいえ正常下限程度であり、判断に悩んだ者が多かったようだ。
d 新生児の呼吸数は成人より多く、45/分程度。70/分は明らかに多い。
e 新生児の酸素飽和度は成人よりやや低いが、SpO2 95%(PaO2にして80Torr)程度が正常。さすがにSpO2が90%まで低下していたら病的だ。

正答率:62%

テーマ:新生児の基準値内のバイタルサイン

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