115F42

救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を以下に示す。
研修医:「6歳の女児です。昨日から腹痛が持続するということで来院されました。膝関節も少し痛むということです。2週前に上気道炎で自宅近くの診療所を受診されていました。発熱、下痢や嘔吐はありません」
指導医:「患児の外観はどうですか」
研修医:「腹痛があり少し苦悶様です」
指導医:「腹部所見はどうですか」
研修医:「臍周辺の圧痛を認めます」
指導医:「他の診察所見はどうですか」
研修医:「胸部聴診上、異常所見なく、咽頭発赤もありません」
指導医:「体幹に発疹はありますか」
研修医:「ありません」
指導医:「下腿に発疹はありませんでしたか」
研修医:「あ、下腿はみていません」
指導医:「下腿では、まずどのような所見を確認しますか」

これに続く研修医の返答として最も適切なのはどれか。

「紫斑の有無を確認します」
「白斑の有無を確認します」
「静脈瘤の有無を確認します」
「爬行性線状疹の有無を確認します」
「café au lait斑の有無を確認します」

解答: a

115F42の解説

【プロセス】
①6歳女児
②2週前に前駆感染
③腹痛・膝関節
腹痛の鑑別は非常に多岐にわたるが、小児・前駆感染あり・関節痛を併発、といった情報からはIgA血管炎〈Schönlein-Henoch紫斑病〉を想起したい。

【選択肢考察】
a 正しい。本疾患では紫斑が出現する。
b 結節性硬化症などでみられる。
c 深部静脈血栓〈DVT〉などでみられる。
d 寄生虫の皮下侵入にてみられる。
e 神経線維腫症やMcCune-Albright症候群にてみられる。

正答率:99%

テーマ:IgA血管炎を疑う小児で確認すべきこと

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