115E9

外傷の初期診療において迅速簡易超音波検査〈FAST〉で確認するのはどれか。

気胸
骨折
臓器損傷
大動脈径
体腔内出血

解答: e

115E9の解説

【ポイント】
外傷患者に対して胸部〜腹部〜骨盤部を超音波検査により迅速に評価する手法をFASTと呼ぶ。具体的には心窩部→Morrison窩〜右胸腔→左胸腔〜脾周囲→膀胱直腸窩またはDouglas窩の順にエコーを当てる。これにより、生命維持を脅かす病態を迅速に抽出する(目標はトータルで1分以内)。

【選択肢考察】
a 超音波検査にて判別することは可能。しかしながら、確認には時間がかかり、術者の熟練も要する。そのためFASTで確認する対象には含まれない。
b 骨折があっても生命維持には影響ないことが多い。複雑骨折で臓器損傷があるようなケースでは生命の危機となるが、その場合でも選択肢「臓器損傷」の解説で示したのと同じ理由からFASTの対象とはならない。
c 超音波検査にて判別することは可能。しかしながら、確認には時間がかかり、術者の熟練も要する。そのためFASTで確認する対象には含まれない。
d 心臓から出た直後を除き、大動脈は後腹膜を走行する。後腹膜はFASTの観察範囲外である。
e 正しい。胸腔内や体腔内の出血を確認するのに有用である。

正答率:99%

テーマ:迅速簡易超音波検査〈FAST〉で確認するもの

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