115E31

83歳の女性。右大腿骨頸部骨折のため手術を受けた。手術当日の夜は意識清明であったが、手術翌日の夜間に、実際は死別しているにもかかわらず「夫の食事を作るために帰宅したい」などと、つじつまの合わない言動が出現した。これまで認知症症状を指摘されたことはない。

この病態について誤っているのはどれか。

幻視を伴う。
日中にも起こる。
身体疾患が原因となる。
意識レベルが短時間で変動する。
ベンゾジアゼピン系薬剤が有効である。

解答: e

115E31の解説

【プロセス】
①高齢女性
②術後
③夜間
④つじつまの合わない言動
⑤認知症症状の指摘なし
④は認知症でもみられるが、⑤より否定的。①〜③に記載のある典型的リスクから、せん妄と考えられる。

【選択肢考察】
a せん妄には幻覚を伴う。
b 夜間に好発するも、日中にも起こりうる。
c 内分泌疾患や膠原病といった全身疾患を背景にせん妄が出現しやすくなることもある。
d 意識の混濁は短時間で変動しやすい。
e 誤り。睡眠薬としても用いられる薬剤であり、むしろせん妄のリスク。アルコール離脱症状には本薬剤が有効なので区別したい。

正答率:95%

テーマ:せん妄について

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