115C70

腎機能は中等度の障害であり、冠動脈造影検査を行うことになった。

この患者で造影剤使用前に中止を検討すべき内服薬はどれか。

利尿薬
NSAID
尿酸合成阻害薬
αグルコシダーゼ阻害薬
アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬

解答: b

115C70の解説

【ポイント】
造影剤は腎にダメージを与える副作用をもつため、注意が必要となる。

【選択肢考察】
a 尿排泄を促進させる作用があるため、特に問題ない。「尿を排泄させる際に腎に負担をかけてしまうのでは?」と深読みした一部の受験生がこの選択を選んだようだ。他の選択肢にNSAIDがあるにもかかわらず、あえて利尿薬を選ぶというこの暴走行為はいわゆる「国試せん妄」とも呼ばれるものであり、好ましくない。次問にもあるように輸液と並行して行われるわけであるから、「体内に入った造影剤を輸液により希釈し、続いて尿から捨てるために利尿薬は有効」と考えればよい。
b 正しい。NSAIDには腎血流を低下させ、造影剤腎症を誘発するリスクとなる。事前に中止を検討すべきだ。
c 高尿酸血症に対する治療であるが、特に造影剤腎症とは関係ない。
d 糖尿病に対する治療であるが、特に造影剤腎症とは関係ない。
e 高血圧に対する治療であるが、特に造影剤腎症とは関係ない。

正答率:76%

テーマ:【長文2/3】冠動脈造影前に中止すべき内服薬

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