115C59

33歳の初産婦(1妊0産)。妊娠39週5日、規則的な子宮収縮を主訴に来院した。これまでの妊娠経過に異常は認めなかった。午前3時、10分間隔の子宮収縮を自覚し、次第に増強したため午前8時に来院した。内診所見は、分泌物は粘液性で一部血性、子宮口は2cm開大、展退度は80%、硬度は軟、児頭下降度はSP-2cmであった。入院し経過観察をしていたが、12時の時点で破水を認めた。17時の時点で分娩には至っていない。パルトグラムを別に示す。

診断はどれか。3つ選べ

適時破水
微弱陣痛
分娩停止
後方後頭位
低在横定位

解答: b,c,e

115C59の解説

【プロセス】
①妊娠39週5日
②規則的な子宮収縮
分娩開始である。本文からその後の過程を追い、与えられたパルトグラムから選択肢を1つ1つ照合していくタイプの頻出問題。

【選択肢考察】
a 適時破水とは子宮口全開大後の破水のことである。破水を認めた12時の時点での子宮口開大度は6cmとパルトグラムから読み取れる。ゆえにこれは早期破水と定義される。
b 正しい。パルトグラムより、17時段階(子宮口9cm開大)の陣痛周期は7分、陣痛持続時間は25秒と読み取れる。これは微弱陣痛の定義(子宮口9cm開大では陣痛周期>4分、陣痛持続時間<30秒)を満たす。
c 正しい。パルトグラムによれば、17時の時点で2時間以上分娩は進行しておらず、分娩停止と定義される。
d パルトグラムによれば10時〜14時ころに一度回旋は起こりかけていたようだが、15時に再び戻り、17時時点で矢状縫合は骨盤横径に一致している。ゆえに第2回旋を定義できない(「後方後頭位」のような命名がそもそもできない)。
e 正しい。パルトグラムによれば、17時時点の児頭下降度〈SP〉は+2。にも関わらず、矢状縫合は骨盤横径に一致している状態であり、低在横定位と考えられる。

正答率:70%

テーマ:分娩の状況についての診断

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