115C43

71歳の男性。尿失禁を主訴に来院した。2年前から夜間に尿意で目が覚めてトイレに行くようになり、3か月前からその頻度が増えてきた。高血圧症で内服治療中である。身長172cm、体重69kg。体温36.4℃。脈拍80/分、整。血圧140/80mmHg。下腹部に弾性軟の腫瘤を触知する。直腸診で4cm大の弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。腹部超音波検査で膀胱内に大量の尿貯留を認める。

治療として適切なのはどれか。

導尿
尿道ブジー
利尿薬投与
β3刺激薬投与
抗コリン薬投与

解答: a

115C43の解説

【プロセス】
①高齢男性
②尿失禁
③下腹部に弾性軟の腫瘤
④直腸診で4cm大の弾性硬の前立腺を触知
⑤腹部超音波検査で膀胱内に大量の尿貯留
⑤の記載より、③は腫大した膀胱と考えられる。④より前立腺肥大症〈BPH〉による尿閉がその原因として考えられる。BPHに起因する②は溢流性〈奇異性〉尿失禁である。

【選択肢考察】
a 正しい。膀胱内に尿が貯留しており、導尿するのが適切な対応である。
b 尿道狭窄への対応。
c 尿生成が滞っている際の対応。
d 過活動膀胱への対応。
e BPHに抗コリン薬を投与すると尿閉が悪化するため、★禁忌★。

正答率:94%

テーマ:前立腺肥大症〈BPH〉による尿閉の治療

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