115C39

65歳の男性。3日前からの眼痛を主訴に来院した。20歳ころに右眼を強く打撲したが、その後問題なく生活していた。半年前から右眼の視力低下を自覚し、1か月前からほとんど見えなくなったが、仕事の都合で医療機関を受診できなかった。全身所見に異常を認めない。視力は右眼前手動弁、左1.0。眼圧は右53mmHg、左15mmHg。右眼の眼底は透見不能である。右眼の前眼部写真を別に示す。

行うべき治療はどれか。

抗菌薬投与
強膜内陥術
水晶体摘出術
眼球マッサージ
全層角膜移植術

解答: c

115C39の解説

【プロセス】
①高齢男性
②眼痛
③20歳ころに右眼を強く打撲
④右眼前手動弁
⑤右眼圧53mmHg
⑥右眼の眼底は透見不能
⑦右眼の前眼部写真では角膜浮腫と白内障
①③⑥⑦より外傷性白内障と考えられる。長い年月の経過した外傷性白内障では液化した水晶体物質が水晶体外へ漏れ出し、強い炎症を生じ、水晶体物質や炎症細胞が隅角に詰まり続発開放隅角緑内障をきたす(水晶体融解緑内障と呼ばれる)。②④⑤はこれで説明がつく。

【選択肢考察】
a 細菌感染への治療。
b 裂孔原性網膜剥離への治療。
c 正しい。水晶体の融解が原因となっているため、これを取り除く。病態がよく分からずとも、画像的に白内障であり、消去法にて正解に至ることができた受験生が多かったようだ。
d 網膜中心動脈閉塞症への治療。
e 水疱性角膜症などへの治療。

正答率:74%

テーマ:外傷性白内障に起因する緑内障の治療

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