115B37

82歳の女性。肺炎球菌性髄膜炎のため入院中である。意識障害が遷延しているため、経鼻胃管による経管栄養を開始することになった。意識レベルはJCS I-3からII-10で経過している。体温36.8℃。脈拍76/分。血圧120/80mmHg。呼吸数12/分。SpO2 98%(room air)。日中はベッド上で、半座位で過ごしている。

経管栄養のための経鼻胃管について誤っているのはどれか。

患者を左側臥位として挿入する。
胃内容物を吸引しpHを確認する。
初回の栄養投与は日中に実施する。
栄養投与前に聴診器で気泡音を確認する。
留置後にエックス線撮影で位置を確認する。

解答: a

115B37の解説

【プロセス】
①入院中の高齢女性
②意識障害が遷延
③経鼻胃管による経管栄養を開始
④日中はベッド上で半座位
一応、臨床問題の体は成しているが、経鼻胃管挿入についての一般問題である。

【選択肢考察】
a 誤り。日中はベッド上で、半座位で過ごしているとのことで、そのまま半座位で挿入すればよい。
b 胃液は酸性が強いため、pHが低くなる。これを確認することで、チューブが胃内に挿入されていることを証明できる。
c 夜は睡眠により逆流・誤嚥のリスクが上がる。また、夜間は医師や看護師といったスタッフが手薄になりがちである。よって初回は慎重さを期し、日中に実施するのがよい。
d 挿入したチューブに注射器で空気を注入し、心窩部の聴診で気泡音を聴取できれば先端の位置が問題ないことが分かる。
e 原始的な方法はいろいろあるも、やはりエックス線撮影にて実際に画像で確認するのが一番確実だ。

正答率:87%

テーマ:経管栄養のための経鼻胃管について

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