115B31

42歳の男性。発熱と咳嗽を主訴に来院した。3日前から38℃台の発熱と咳嗽が出現した。昨日から黄色調の喀痰も伴い、症状が悪化してきたため受診した。3年前に高血圧症と診断され、降圧薬の内服治療を受けている。意識は清明。体温38.2℃。脈拍98/分、整。血圧126/68mmHg。呼吸数26/分。SpO2 93%(room air)。眼瞼結膜は蒼白。心雑音を聴取しない。右下側胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球290万、Hb 8.2g/dL、Ht 26%、白血球54,300(芽球95%、分葉核好中球1%、単球1%、リンパ球3%)、血小板3.2万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン3.3g/dL、AST 38U/L、ALT 20U/L、LD 1,863U/L(基準120〜245)、ALP 288U/L(基準115〜359)、尿素窒素35mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。CRP 12mg/dL。喀痰Gram染色でGram陽性双球菌を認める。尿中肺炎球菌迅速抗原検査が陽性である。胸部エックス線写真で右中下肺野に浸潤影を認める。

この患者の診療録を作成するにあたり、プロブレムリストにあげるプロブレムとして適切でないのはどれか。

高血圧症
血小板低値
抗菌薬の投与
肺炎球菌による肺炎
芽球を伴う白血球増多

解答: c

115B31の解説

【ポイント】
診療録はPOMR〈Problem Oriented Medical Record〉という定形フォーマットで記載するのが一般的だ。冒頭にプロブレムリストを作成し、以下をSOAPの順に記す。

【選択肢考察】
a 高血圧は現在治療中であり、プロブレムの1つだ。
b 血小板数は3.2万と低値であり、プロブレムリストに含めるべきだ。
c 誤り。抗菌薬投与は治療計画であり、SOAPのP〈Plan〉として記す。
d Gram染色や尿中抗原検査から肺炎球菌が起炎菌であると分かるため、このように記載して問題ない。
e 白血球数が異常高値を示し、うち95%が芽球である。もちろんプロブレムの1つと言えよう。おそらくは白血病を背景とした易感染性により、肺炎に罹患したものと考えられる。

正答率:97%

テーマ:プロブレムリストにあげるプロブレム

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