114F53

日齢2の新生児。黄疸のため救急車で搬入された。在胎40週3日、出生体重3,126g、Apgarスコア7点(1分)、9点(5分)であった。生後6時間から完全母乳栄養を開始した。生後24時間から黄疸を認めたため1面で光線療法を開始したが生後48時間でのビリルビン値が30mg/dLのため救急車を要請し、NICUに入院となった。傾眠傾向である。体温37.3℃。心拍数140/分、整。呼吸数40/分。大泉門は陥没し、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。吸啜反射、Moro反射は減弱し、四肢の筋緊張はやや低下している。血液所見:赤血球380万、Hb 12.0g/dL、Ht 30%、網赤血球5%、血小板40万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン3.5g/dL、総ビリルビン29.5mg/dL、直接ビリルビン1.5mg/dL、AST 12U/L、ALT 15U/L、LD 990U/L(基準値311〜737)。母親の血液型はO型RhD(+)、児A型RhD(+)。

適切な対応はどれか。

血漿交換
交換輸血
アルブミン投与
多面照射光線療法
ガンマグロブリン投与

解答: b

114F53の解説

新生児の黄疸。生理的黄疸は生後2日ころからみられるのが一般的であり、本症例のように生後24時間からみられているものは早発黄疸と呼ぶ。原因としては血液型不適合妊娠が考えやすい(母親の血液型がRhD+であるため、今回はABO不適合であろう)。光線療法を開始したが、ビリルビンが低下しないため、より別の治療を考慮することとなる。
a 血漿のみの交換では、感作赤血球の除去ができない。
b 正しい。ビリルビン、抗体、感作赤血球を除去することが可能である。
c 今問題となっているのは黄疸(つまりビリルビン高値)であり、アルブミンは関係ない。
d 光線療法で効果がみられていないことから、著効するとは考えにくい。
e 一部施設で行なわれることもあるようだが、一般的な治療法ではない。

正答率:26%

テーマ:光線療法が無効な新生児黄疸への対応

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