114F51

28歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠12週に妊婦健康診査のため来院した。妊娠8週に妊娠のため受診し、妊娠初期血液検査を受けた。以後、悪阻や性器出血等の症状はない。生来健康である。母がB型肝炎ウイルスのキャリアであるという。身長156cm、体重55kg。尿所見:蛋白(−)、糖(−)。腹部超音波検査で胎児に異常を認めない。4週前の血液検査でHBs抗原陽性、HBe抗原陽性が判明した。

適切な説明はどれか。

「人工妊娠中絶が必要です」
「母乳栄養は避けましょう」
「今すぐB型肝炎ワクチンを接種しましょう」
「妊娠中に赤ちゃんにウイルスが感染する可能性が高いです」
「出産後、赤ちゃんに抗HBsヒト免疫グロブリンを接種しましょう」

解答: e

114F51の解説

HBs抗原とHBe抗原との陽性が判明した妊婦への説明。
a 妊娠継続、分娩は十分に可能である。人工妊娠中絶は不要。
b B型肝炎ウイルスは主に経産道感染する。まれに経胎盤感染も知られるが、少なくとも経母乳感染はしない。
c 母体はすでに感染しており、ワクチン無効。出生した児に対してはワクチン接種が有効。
d B型肝炎ウイルスは主に経産道感染する。経胎盤感染も知られるが、稀である。この選択肢では「妊娠中に」と書かれていることから経胎盤感染のことを言っていると思われる。
e 正しい。新生児に対して抗HBsヒト免疫グロブリンとHBワクチンとを投与するのが標準的な対応策である。

正答率:97%

テーマ:B型肝炎ウイルスキャリアの妊婦に適切な説明

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