114E30

72歳の女性。左膝関節痛を主訴に来院した。2年前に歩行時の左膝関節痛を自覚し徐々に悪化している。最近歩行が困難になったため受診した。左膝関節の外傷歴はない。身長155cm、体重64kg。体温36.3℃。脈拍64/分、整。左膝関節に膝蓋跳動と内反変形とを認めるが発赤と熱感はない。左膝関節エックス線写真を別に示す。

今後の対応の説明で誤っているのはどれか。

「大腿部の筋力を強くしましょう」
「杖の使用は避けてください」
「正座は避けてください」
「体重を減らしましょう」
「手術療法は有効です」

解答: b

114E30の解説

高齢女性の左膝関節痛。症状は2年前からみられており、外傷歴はないという。BMIは64÷1.55÷1.55=26.6と肥満あり。左膝関節に膝蓋跳動と内反変形とを認めていることと、画像で関節裂隙狭小化・骨棘形成・骨硬化像を認めていることから、変形性膝関節症の診断となる。
a 疼痛により歩行困難になっている。筋力強化によって膝関節の安定化を図ることで、症状が緩和し、歩行再開できる可能性が高い。
b 誤り。杖を使用して免荷を図ることは重要である。
c 正座は膝関節に強い負担をかける。そのため、回避するよう指導したい。
d 肥満は膝関節への負担を増やす。減量指導をしたい。
e 保存的治療でも奏効しない場合、人工関節置換術が有効となる。

正答率:98%

テーマ:変形性膝関節症〈OA〉の患者への対応の説明

フォーラムへ投稿

関連トピック