114D61

60歳の男性。右耳下部腫瘤を主訴に来院した。1か月前、洗顔時に気付いたが痛みはなくそのままにしていたという。右耳下腺後下部に軟らかい腫瘤を触れる。穿刺吸引細胞診で嚢胞性背景に胞体が好酸性の上皮細胞集塊を認める。頸部MRIを別に示す。99mTcO4-唾液腺シンチグラフィで病変部に集積を認める。

診断はどれか。

耳下腺癌
頸部血管腫
Warthin腫瘍
IgG4関連疾患
耳下腺多形腺腫

解答: c

114D61の解説

中高年男性の耳下腺部腫瘤。画像では右耳下腺部に境界明瞭で多房性の腫瘤を指摘可能。病理にて好酸性の顆粒をもつ上皮細胞集塊を認めること、99mTcO4-唾液腺シンチグラフィで集積を認めることとあわせ、Warthin腫瘍〈腺リンパ腫〉の診断となる。
a 悪性腫瘍である。境界は不整となり、顔面神経麻痺など悪性を疑わせる症候が出現する。
b 穿刺したら出血するはずだ。
c 正しい。上記の通り。
d 病理ではIgG4陽性の形質細胞浸潤がみられる。
e 若〜中年女性に多い、唾液腺腫瘍の過半数を占める疾患。病理やシンチグラフィの所見から否定されるのだが、そこまで覚えていなかった受験生(約50%)は本選択肢を選んでしまったようだ。

正答率:32%

テーマ:Warthin腫瘍の診断

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