114C57

43歳の男性。自営業。すぐに機嫌を損ねて怒鳴るようになったため、妻と母親に説得されて来院した。3か月前に父親が急逝してからしばらくの間、元気がなく、家族と話さなくなった。1か月前から店で必要以上にたくさん仕入れをするようになり、従業員に対して大声で怒鳴りつけるようになった。商品陳列の場所を何度も変え、始終移動させているようになった。元来ほとんど飲酒をしなかったが、毎晩飲酒をするようになったという。多弁で、感情の動きが激しく表出され、話題が際限なく広がる。本人は受診について不満であり、精神的なストレスで悲観的な考えに陥っている家族の方に治療を受けさせたいと述べている。これまでに発達上の問題はなかった。血液検査、頭部MRI及び脳波検査に異常を認めない。

この患者にみられる症状はどれか。2つ選べ

感覚失語
観念奔逸
行為心迫
連合弛緩
小動物幻視

解答: b,c

114C57の解説

3か月前のエピソードは鬱を、1か月前からのエピソードは躁を考えさせる。躁うつ病〈双極性障害〉である。
a Wernicke失語とも呼ばれる。側頭葉障害でみられる。
b 正しい。躁病に特徴的な思考障害である。
c 正しい。躁病に特徴的な意欲障害である。
d 統合失調症でみられる。
e アルコール離脱症状でみられる。

正答率:93%

テーマ:双極性障害でみられる症状

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