113F69

治療日に朝から絶食で腸管洗浄液を内服して頻回の排便を行っていた。その後、病棟の廊下でうずくまっているところを看護師に発見された。

現 症:呼びかけには返答がある。体温36.2℃。脈拍96/分、不整。血圧146/84mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。顔面は蒼白で発汗を認める。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。血便を認めない。四肢に麻痺や弛緩を認めない。簡易測定した血糖値が45mg/dLであり、50%ブドウ糖20mLを静注した。

対応として適切でないのはどれか。

緊急内視鏡
家族への説明
12誘導心電図
血糖値の再検査
バイタルサインの再評価

解答: a

113F69の解説

絶食のため低血糖になりやすい。意識があるので経口でブドウ糖を補う。
a 誤り。現時点の問題は低血糖であり、内視鏡検査に緊急性はない。
b 患者の状態が安定した後、家族への説明を行う。
c 重症低血糖によって引き起こされる突然死の原因として心室性不整脈がある。この患者は心房細動の背景もあり、実際問題、現時点で「脈拍不整」と示してある。死に至りかねない重篤な不整脈の有無を12誘導心電図で確認することは必須だ。
d ブドウ糖投与後に血糖値が正常化したか確認する。
e 血糖が正常化した段階で再度確認することは必要である。

正答率:99%

テーマ:【長文2/3】低血糖状態に対しブドウ糖静注を実施した後の対応

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