113F47

6歳の男児。低身長を心配した母親に連れられて来院した。受診時は身長99.2cm、体重19.0kg。骨盤位で、経膣分娩で出生した。出生時の身長は50.2cm、体重3,520gであった。父の身長は174cm、母の身長は156cmである。患児の成長曲線を別に示す。

母親への説明として適切なのはどれか。

「直ちに成長ホルモンの薬を始めましょう」
「体質的なものなので経過を観察しましょう」
「これから身長が伸びることを期待しましょう」
「成長に関わるホルモンの分泌を評価しましょう」
「今後も身長の伸びが少なければ3年後に再度受診してください」

解答: d

113F47の解説

6歳男児の低身長。患児の成長曲線をみるに、元々−1SD程度だった身長が現在は-3SD程度まで低下している。もともと低身長だったという点からは原発性低身長を、3歳以降に低身長の度合いが増強していることからは内分泌性低身長を考える。選択肢をみる限り、出題者は内分泌性低身長を想定しているようだ。
a 成長ホルモン欠乏による低身長かどうか、まだ不明である。診断をつけずして治療を行うのは早計。
b 低身長の度合いが増強しており、今や-3SD程度まで低下している。経過観察はできない。
c bで示したように、神頼みにして経過観察することはできない。
d 正しい。成長ホルモンや甲状腺ホルモンが低下している場合、低身長の原因となる。これを測定することが診断の一助となる。
e bやcで示したように、経過観察はできない。
※b・c・eが実質的に同じことを言っている。「よくわからない段階で治療を始めるのがNG」という国試の伝統ルールに従うに、正解はdしかありえないと分かる。

正答率:99%

テーマ:内分泌性低身長を疑う児の母親への説明

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