113F45

救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を示す。

 研修医:「1歳の女児です。3日前から発熱、咳嗽、鼻汁が続き、本日から四肢、体幹に発疹が出現したため来院しました。咳嗽がひどくルームエアーでSpO2が92%であり、入院も考慮する必要があると思います」

 指導医:「どのような発疹ですか」

 研修医:「四肢、体幹に紅色の丘疹がひろがっています」

 指導医:「口腔内の所見はどうですか」

 研修医:「咽頭発赤があり、頬粘膜に白い斑点があります」

 指導医:「入院させる場合、この患児で特に必要な感染対策は何ですか」

これに続く研修医の返答として最も適切なのはどれか。

「カーテンで隔離を行います」
「聴診器を患児専用にします」
「診察時にエプロンを着用します」
「患児にN95マスクを着用してもらいます」
「関係する医療スタッフの感染症抗体価と予防接種の状況を確認します」

解答: e

113F45の解説

カタル症状後に発疹が出現した1歳女児。発疹は紅色の丘疹であり、頬粘膜に白い斑点(koplik斑)がみられている。麻疹が考えやすい。
a 空気感染する疾患であり、カーテン隔離では不十分。個室管理とすべきだ。
b・c 接触感染する病原体に対する配慮。
d 結核対策に医療スタッフや家族がN95マスクを着用する。その場合でも本人はサージカルマスクを着用する。
e 正しい。空気感染する病原体の感染力は非常に強い。感染拡大を防止すべく、関係するスタッフの抗体価と予防接種状況の確認をする。

正答率:86%

テーマ:麻疹罹患児に関する研修医の返答

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