113D72

50歳の男性。胸痛を主訴に来院した。4か月前から胸痛を自覚し、次第に増強するため受診した。18歳から現在まで造船業に従事している。胸水から悪性細胞が認められたが、組織型は不明である。胸部エックス線写真(A)、胸部造影CT(B)及びPET/CT(C)を別に示す。

組織型を決定するために適切なのはどれか。2つ選べ

胸腔鏡下生検
縦隔鏡下生検
CTガイド下生検
気管支内視鏡下生検
上部消化管内視鏡下生検

解答: a,c

113D72の解説

胸痛を主訴に来院した50歳の男性。約30年間造船業に従事している。胸部エックス線写真では胸水の貯留を認め、胸部造影CTでは胸膜の肥厚と胸水貯留を、PET/CTでは胸膜に集積を認める。また、前方には腫瘍と考えられる集積も認めている。造船業に従事していたことと胸膜の肥厚からは胸膜中皮腫を第一に考えるが、肺癌も念頭において検査を進める必要がある。
a 正しい。胸腔鏡にて複数箇所から検体を採取し確定診断としたい。
b 病変が存在するのは縦隔ではない。
c 正しい。胸腔内の組織を生検するのに適している。しかしながら、今回は心臓の近くに病変があり危険を伴うため注意が必要である。
d、e 病変が存在する部位ではないため生検できない。

正答率:81%

テーマ:胸膜中皮腫の組織型を決定するための生検方法

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