113C35

45歳の男性。造船所でアーク溶接作業に従事している。本日、午前11時ころ、作業場が暑かったので、保護具を外して汗をぬぐってしまい、溶接時に発生する光に曝露したという。特に自覚症状はなく、その後の作業にも差し障りはなかったが、念のためにと同じ作業場の同僚が気遣い、昼食後、午後2時に同僚とともに医務室を訪れた。意識は清明。眼球結膜に軽度充血を認める。視野は良好。眼や耳の痛みは訴えていない。瞳孔、口腔粘膜および皮膚に異常を認めない。

対応として適切なのはどれか。

問題ないと伝える。
救急車を要請する。
水分を経口摂取させる。
呼吸機能検査を勧める。
眼科医への紹介受診を勧める。

解答: e

113C35の解説

中年男性がアーク溶接作業時に発生する光に曝露した。その後、眼球結膜に軽度充血を認めている。眼の痛みは訴えておらず、現時点では重症感に乏しいが、電気性眼炎を生じている可能性は否定できない。患者がやってきたのは医務室であり、眼科的な専門対応は困難な状況だ。
a 問題なければそれに越したことはないが、念には念を入れるべき。ここで問題ないと伝えるのは早計だ。
b かといって救急車を要請するほどの重症感はない。
c 脱水所見はなく、水分を経口摂取させる意義に乏しい。
d 呼吸機能に異常はみられておらず、呼吸機能検査を勧める意義に乏しい。
e 正しい。眼科医への紹介受診を勧め、精査を促すべきだ。

正答率:90%

テーマ:電気性眼炎への対応

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