113B33

4か月の乳児。RSウイルス感染症による呼吸障害のため入院している。呼吸・心拍モニターのアラームが鳴ったため研修医、指導医および看護師で患児を診察に行ったところ全身にチアノーゼを認めた。気道確保をして呼吸を確認したが、自発呼吸を認めない。心電図モニターでは心静止である。末梢静脈路は確保されており、心肺蘇生の備品は病室に準備されている。

直ちに行うべきなのはどれか。

酸素投与
気管挿管
電気ショック
アドレナリン投与
胸骨圧迫と人工呼吸

解答: e

113B33の解説

4か月乳児の自発呼吸停止と心静止。PBLS〈Pediatric Basic Life Support〉やPALS〈Pediatric Advanced Life Support〉に則り、すみやかな救命を試みる。本症例ではCPR〈CardioPulmonary Resuscitation〉適応と考えられ、すみやかに胸骨圧迫と人工呼吸を行うことが望まれる。
a 自発呼吸がないため、酸素投与は無効。
b 気管挿管には多少なりとも時間がかかる。1秒でも早く、胸骨圧迫と人工呼吸を行うべきだ。
c 心静止は電気ショックの適応とならない。
d 約15%の受験生が本選択肢を選んでしまった。たしかに心静止は電気ショックの適応とならず、アドレナリン投与が行われると習ったことがあるかもしれない。また末梢静脈路の確保と備品の装備があり、アドレナリン投与が魅力的に見える気持ちもわかる。が、ここではBLSの知識が問われていることを意識した上で、本選択肢を選んではならない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:77%

テーマ:乳児の心肺停止に直ちに行うべきこと

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