112F53

12歳の女児。低血糖性昏睡で救急搬送された。11歳時に1型糖尿病を発症し、インスリン強化療法を受けている。体育の授業中に意識を失ったという。来院時の血糖値は22mg/dLで、20%ブドウ糖液を静注したところ、2分後に意識は回復した。精査・加療目的で入院した。入院後の聴取では「低血糖かなとは思ったが、進学したばかりの中学で相談できる先生や友達もなく血糖測定もしづらいと思っていたら、いつのまにか気を失っていた」との事であった。

退院後の学校生活における指導内容で適切でないのはどれか。

小児糖尿病サマーキャンプを紹介する。
スティックシュガーを常に携行するように指導する。
体育の授業の後などは低血糖になりやすいことを指導する。
血糖の自己測定をしやすい環境の確保を担任の教諭に依頼する。
意識を消失したらインスリン皮下注射を行うよう担任の教諭に指導する。

解答: e

112F53の解説

低血糖性昏睡で救急搬送された女児。再発防止のための措置等、指導内容を考えさせる良問。
a 糖尿病サマーキャンプとは糖尿病の子供たちが集まって、運動による血糖の変化を実感し、同じ病気の子供たちと悩みを共有することで精神的なケアを行うものである。正に、本症例の患者に必要なサポートと考えられる。
b 低血糖発作時に糖分補給をすみやかに行えるようにする。
c 運動を行うと低血糖になりやすい旨を指導する。
d 担任教師等、学校側と連携し再発予防を図る。
e 誤り。インスリン投与にて低血糖が悪化する。最悪死に至らしめかねない恐怖の指導であり、禁忌である。

正答率:94%

テーマ:低血糖をきたした女児の退院後の学校生活における指導内容

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