112E43

その後の経過:薬物療法とリハビリテーションによって順調に回復した。この患者に抗凝固薬を再開すべきかどうかについて文献検索を行うため、患者の問題を以下のようにPICOで定式化した。

Patient(対象患者):高血圧症と心房細動とを合併した脳出血の女性

Intervention(介入):抗凝固薬内服再開

Comparison(対照):抗凝固薬内服中止

Outcome(結果):(ア)

(ア)に適さない項目はどれか。

出血の増加
心房細動の改善
生命予後の延長
入院機会の減少
脳梗塞発症率の低下

解答: b

112E43の解説

PICOは臨床上の問題点を定式化するための手法。
 ・どんな患者に(Patient)
 ・どんな介入を行うと(Intervention)
 ・それ以外の手法に比べ(Comparison)
 ・どのような結果が生じるのか(Outcome)
の4つの頭文字をとってPICOを命名されている。
本問では、「脳出血をきたした患者に抗凝固薬を再開させると、中止したままに比べてどんなことが起こるか?」と問うており、出題意図さえ分かれば非常に容易な問題だ。
a 当然、出血しやすくなる。
b 誤り。抗凝固薬は血栓形成を予防するために服用する。心房細動自体が治るわけではない。
c〜e 脳塞栓発症率が低下し、入院機会も減少し、それにより生命予後も延長する。
※a→入院機会の増加→生命予後の低下、とひねくれて考えてはならない。当然ながらPT-INR等を調整して適正量を処方するわけだ。

正答率:61%

テーマ:【長文2/2】PICOでの定式化

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