112E36

62歳の女性。頭痛を主訴に来院した。4日前の起床時に突然の頭痛が生じた。臥床して様子をみていたが頭痛が持続したため、3日前に自宅近くの診療所を受診し、鎮痛薬を処方された。しかし、その後も頭痛が改善しないため受診した。意識は清明。身長157cm、体重54kg。体温36.6℃。脈拍88/分、整。血圧118/82mmHg。呼吸数16/分。項部硬直を認める。血液所見:赤血球362方、Hb 11.2g/dL、Ht 44%、白血球9,800(桿状核好中球12%、分葉核好中球46%、好酸球1%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球38 %)、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.8g/dL、尿素窒素9mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。CRP 3.4mg/dL。頭部CTを別に示す。

次に行うべき検査はどれか。

脳波
脳血管造影検査
脳脊髄液培養検査
頭部MRI拡散強調像撮像
インフルエンザウイルス迅速抗原検査

解答: b

112E36の解説

高齢女性の頭痛。項部硬直があり、画像では脳底槽やシルビウス裂における高吸収域を指摘可能。くも膜下出血〈SAH〉である。画像が典型例ではないため、みた瞬間に「あ、正答率下がるだろうな」と思ってしまった問題。
a てんかんなどの精査に用いられる。SAHでは実施しない。
b 正しい。SAHの原因血管の同定に有用。
c 項部硬直→髄膜炎、とキーワードだけで攻めた者が選んでしまう問題。本選択肢を選んだ者は出題者の意図通りであり、まんまと手の中で踊ってしまったことを意味する。本症例ではむしろSAHにより脳圧亢進している可能性が高く、実施は好ましくない。
d 脳梗塞の判定に有用な検査。
e インフルエンザウイルス感染を疑った場合に実施される検査。

正答率:72%

テーマ:くも膜下出血〈SAH〉の検査

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