112E11

座位から体幹を前傾させると、より明瞭になる聴診所見はどれか。

III音
II音の分裂
頸動脈雑音
心基部拡張期雑音
心尖部収縮期雑音

解答: d

112E11の解説

a III音は心室が充満する音で、心尖部で聴取する。左側臥位で最もよく聴取する。
b II音は大動脈が閉鎖する音である。心基部で最もよく聴取し、生理的分裂は吸気時に聴取する。ほか、奇異性分裂や病的分裂もあるが、いずれにせよ前傾位で明瞭となる音ではない。
c 頸動脈の位置は前傾姿勢にしてもかわらないので、聴取のし易さは変化しない。
d 正しい。心基部拡張期雑音とは大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉の逆流音である。前傾位により後負荷が上昇し、逆流がみられやすくなる。むろん、前傾によって大動脈弁が胸壁に近づくことで明瞭になるという機序も存在する(AR雑音は大動脈弁狭窄症〈AS〉雑音に比べ、聴取しにくいことが多い)。
e 心尖部収縮期雑音とは僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉の逆流音である。M弁雑音は左側臥位で明瞭となる。

正答率:71%

テーマ:座位から体幹を前傾させると、より明瞭になる聴診所見

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