112D21

53歳の男性。健診で白血球増多を指摘され来院した。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧136/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左季肋下に脾臓を3cm触知する。表在リンパ節は触知しない。血液所見:赤血球430万、Hb 12.8g/dL、Ht 42%、白血球54,000(骨髄芽球1%、前骨髄球2%、骨髄球5%、後骨髄球7%、桿状核好中球5%、分葉核好中球60%、好酸球8%、好塩基球7%、リンパ球5%)、血小板35万。血清ビタミンB12 8,600pg/mL(基準250〜950)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(A)及びGiemsa染色による骨髄細胞染色体解析(B、矢印は異常を示す)を別に示す。

治療薬として適切なのはどれか。

サリドマイド
JAK2阻害薬
プロテアソーム阻害薬
全トランス型レチノイン酸
チロシンキナーゼ阻害薬

解答: e

112D21の解説

中年男性の白血球増多。画像Aや白血球分画より白血病裂孔が陰性で、かつ骨髄球系の芽球が増加していることが読み取れる。画像Bがヒントすぎるだろう。t(9;22)が示されており、慢性骨髄性白血病〈CML〉の診断となる。脾腫がみられ、血小板は(基準値内であるが)上昇傾向にあり、ビタミンB12が増加していることも矛盾しない。
a 骨髄異形成症候群〈MDS〉や多発性骨髄腫〈MM〉に有効。
b 原発性骨髄線維症〈PMF〉や真性赤血球増加症〈PV〉に有効。
c 代表的なプロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブは多発性骨髄腫〈MM〉に有効。
d 急性前骨髄球性白血病〈APL〉(M3)に有効。
e 正しい。薬剤名としてはイマチニブであり、CMLに有効。

正答率:99%

テーマ:慢性骨髄性白血病〈CML〉の治療薬

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