112B38

50歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。2か月前から咳嗽があり、他院で肺炎と診断され抗菌薬を処方されたが改善しないため受診した。喫煙は40本/日を30年間。意識は清明。身長175cm、体重78kg。体温36.5℃。脈拍88/分、整。血圧126/80mmHg。呼吸数15/分。SpO2 96 % (room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球508万、Hb 14.8g/dL、白血球5,600、血小板25万。血液生化学所見:総ビリルビン0.6mg/dL、AST 10U/L、ALT 21U/L、LD 425U/L(基準176〜353)、尿素窒素14mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、CEA 2.9ng/mL(基準5.0以下)、SCC 1.2ng/mL(基準1.5以下)、ProGRP 350pg/mL(基準81以下)。CRP 0.3mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部CT(B)とを別に示す。気管支鏡下生検で肺癌と診断された。

肺癌の組織型として最も可能性が高いのはどれか。

大細胞神経内分泌癌
扁平上皮癌
小細胞癌
大細胞癌
腺癌

解答: c

112B38の解説

中年男性の咳嗽。長期にわたる喫煙歴があり、ProGRPが高値であることから肺小細胞癌はすぐに思い浮かぶであろう。画像ではA〜Cすべて右肺門部の腫瘤性陰影を指摘できる。
a 神経内分泌の症候に欠け、考えにくい。
b SCCが高値となる。
c 正しい。上記の通り。
d 特異的なマーカーは存在しないが、少なくともProGRPは陽性とならない。
e CEAが陽性となる。
※マーカーをみるだけで正答に至る平易な問題(実質的な一般問題)であり、正答率は極めて高かった。

正答率:99%

テーマ:肺小細胞癌の診断

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