112A51

16歳の男子。呼吸困難のため救急車で搬入された。本日、昼食にパンを食べた後、体育の授業で長距離走をしている最中に全身の痒み、蕁麻疹と呼吸困難が出現したため、養護教諭が救急車を要請した。学校の部活動でサッカーをしているが、練習中や試合中に同様の症状を呈したことはない。また昼食で食べたパンはこれまでにも頻繁に食べているが、同様の症状を呈したことはない。意識は清明。心拍数102/分、整。血圧92/62mmHg。呼吸数24/分。SpO2 99%(マスク5L/分酸素投与下)。前胸部に膨疹を認める。喘鳴を聴取する。適切な治療の後、症状は改善した。

この患者の今後の生活指導として適切なのはどれか。

サッカーの禁止
長距離走の禁止
パンの摂取禁止
宿泊を伴う校外活動の禁止
小麦製品の摂取後2時間の運動禁止

解答: e

112A51の解説

16歳の男子(高校生であろう)が昼食にパンを食べた後に運動したら、痒み・蕁麻疹・呼吸困難が出現した。運動のみ、パンのみ、ではそれぞれ症状は発来せず、パンを食べた後に運動をした今回のみ出現している。食物依存性運動誘発アナフィラキシーの典型的なエピソードと言えよう。
a・b 運動単独では症状をきたさないため、禁止する必要はない。
c パン摂取単独では症状をきたさないため、禁止する必要はない。
d 宿泊を伴う校外活動と本エピソードとは関係がない。
e 正しい。小麦製品の摂取直後に運動することがリスクとなる。これを禁止すればよい。

正答率:100%

テーマ:食物依存性運動誘発アナフィラキシー〈FDEIA〉患者の生活指導

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