112A38

46歳の男性。全身の痒みを伴う皮疹を主訴に来院した。3か月前から大腿、陰部および手に痒みを伴う皮疹が出現した。自宅近くの診療所で抗ヒスタミン薬と副腎皮質ステロイド外用薬とを処方されたが効果はなく、皮疹が徐々に拡大してきたため受診した。高齢者施設の介護職員。受診時、陰部を含む全身に鱗屑を伴う丘疹が多発していた。陰部と手背の写真(A、B)及び手掌のダーモスコピー像(C)を別に示す。

対応として適切なのはどれか。

保健所に届け出る。
衣類を煮沸消毒する。
個室管理の上で治療を開始する。
皮疹が完全に治癒するまでは就業を禁止する。
勤務先の施設の職員と入居者に問診と診察を行う。

解答: e

112A38の解説

中年男性の全身の痒みと皮疹。画像では紅斑や鱗屑、特にCでは疥癬トンネルが指摘可能。高齢者施設の介護職員という情報も合わせ、疥癬症の診断となる。
a (『感染症法』等により)特に保健所へ届け出ることが定められた疾患ではない。
b 感染対策をしっかり行えば、煮沸消毒までは行う必要ない。
c 治療は必要だが、個室管理までは必要ない。
d 特に就業禁止等のルールが定められた疾患ではない。
e 正しい。接触した職員や他患者の感染有無を把握し、感染拡大防止に務めるべきである。
108A40の改題。

正答率:87%

テーマ:疥癬への対応

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