111G69

喫煙の肺癌に対する影響について調べるために、男性地域住民3,000人から構成されるコホート集団を10年間にわたり観察し、表のような結果が得られた。

この集団における喫煙の肺癌に対する人口寄与危険度割合を求めよ。

ただし、小数第3位以下の数値が得られた場合には、小数第3位を四捨五入すること。

喫煙 対象者数 肺癌罹患数
なし 1,500 10
あり 1,500 40

解答:□.□□

解答: 0.60

111G69の解説

曝露群からの発生率を$I_e$、非曝露群からの発生率を$I_o$とすると、
 ・$I_e=\displaystyle \frac{40}{1500}$
 ・$I_o=\displaystyle \frac{10}{1500}$
 ・寄与危険度$=I_e-I_o=\displaystyle \frac{40-10}{1500}=0.02$
 ・寄与危険度割合$=\displaystyle{\frac{I_e-I_o}{I_e}=\frac{\frac{40-10}{1500}}{\frac{40}{1500}}} =\frac{3}{4}=0.75$
ただし、本文では「人口寄与危険度割合」と書いてあるため、前述のどちらも正解にはならない。
人口寄与危険度割合とは集団寄与危険度割合と同義であり、疾患のある割合を$I_t$とすると、
 ・人口寄与危険度割合〈集団寄与危険度割合〉=$\displaystyle{1-\frac{I_o}{I_t}}$
で算出される。ゆえに答えは、
 ・$\displaystyle{1-\frac{\frac{10}{1500}}{\frac{10+40}{1500+1500}}=\frac{3}{5}=0.60}$
となる。
※0.02や0.75と回答して涙を飲んだ受験生が多かった。小数点第2位まで入力させる点から考えるに、出題者はこれら上記誤答を期待していると思われる。いやはや何とも意地が悪い。

正答率:12%

テーマ:人口寄与危険度割合の算出《計算問題》

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